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ポジショニング

マイクロスコープを使いこなすには、一般的に数ヶ月という期間が必要になると言われています。
もちろん、完全に自費で根管治療専門やインプラントにマイクロスコープを頻繁に使われる先生と、保険治療の合間に使われる先生とでは習得時間がかわります。
しかし、マイクロスコープの動きを早く飲み込むためには、経験者の意見が大きな参考になると言うことはご理解していただけると思います。
そこで、世界的なマイクロサージャリーの著書として有名な、Dr.Enrique M.Merino のEndodontic Microsurgery誌から、一部を引用してご紹介いたします。

デンタルチェアーのポジショニング

デンタルストールに座っているドクターにとって、デンタルチェアーは診療体勢のうえで最大限の快適性を与えられるように巧みに操作されるべきと思います。
上顎の歯列は、術者の指に収まる範囲にあり、術者の足元とマイクロスコープの間はある程度の空間が存在します。術者は、その空間を利用してデンタルチェアーを上下させて所定の位置に座ったままで、体に負担をかけずにマイクロスコープで治療中の部位を見ることができます。
もしもデンタルチェアーが高すぎれば、腕をサポートするものがないために肩が痛くなることがあり、逆に低すぎれば背中が痛みを覚えることがあります。

ドクターのポジショニング

機動性がきわめて重要 - 図1-44参照

(図1-44 術者は、10時から2時の範囲を自由に動けるようでなければなりません。)

マイクロスコープのポジショニング

見たいところを見るために自分自身が移動するという、伝統的な歯科診療体勢とは異なり、マイクロスコープの診療体勢は術者は静止したままが基本です。可能な時は常に、起動中のマイクロスコープは垂直で軸を傾けないようにします。
しかし、治療中の部位を直接見られるような場合は、マイクロスコープを傾けて使うこともあります。

患者の頭部と体のポジショニング

これらの部分は、治療部位により調節されます。術者が調節した好ましい位置から動くよりも、患者の方がより簡単に頭部や体を動かすことができるからです。(マイクロスコープで直接に見る場合には、特に重要です。)
患者の頭部は、治療中の部位とは反対方向に傾けられます。(図1-45参照)
つまり、もし、右側を治療しているのであれば、患者の頭部は左向きにされ、左側を治療しているのであれば、患者の頭部は右側にされます。治療が長引く場合は、患者の頭部ではなく、患者の体全体を傾けたほうが楽にできます(図-46参照)。患者の頭部や体全体を支えるのは、通常のヘッドレストやマットシートです。


  • (図1-45 a) 

  • (図1-45 b) 

短時間の治療なら、患者の頭部を前後左右に動かし、治療の部位にちょうど良い具合に合わせることができます。

(図1-46 治療が長引く場合、患者はすこし横にしたほうが良いと思われます。)

TIP マイクロスコープの使い始めは、これらのステップを、患者一人ひとりに施していては治療スピードが遅くなると感じることもあります。しかし、すぐにマイクロスコープを使うことがドクターの第2の天性となって、結果的には治療技術の向上につながります。また、術中にバランスの欠いた姿勢に早く気が付いたり、患者を動かすことでそのような問題を修正するためのステップをとることができます。 TIP マイクロスコープで直接に治療すべき部位を見られるのは良いことですし、この利点は良い治療方針や自由な裁量が獲得できることです。

診療ポジショニング

~右上顎の小臼歯大臼歯~(図1-47参照)


図1-47

●デンタルチェアー:わずかに上昇させます。
●術者の位置:11時から12時です。
●マイクロスコープの位置:想定される歯根の延長軸上にマイクロスコープをある程度の角度をつけて見下ろす姿勢をとります。
●患者の頭部の位置:小臼歯大臼歯をわずかに左向きとなるように患者の頭部を左の方向に設定します。:患者の下顎の右奥を突き出すように。

~上顎切歯と犬歯~(図1-48参照)


図1-48

●デンタルチェアー:バックシートを45度まで上げます。マイクロスコープよりも低い位置に治療部位を設定します。
●術者の位置:11時から12時。
●マイクロスコープの位置:想定される歯根の延長軸上にマイクロスコープをある程度の角度をつけて見下ろす姿勢をとります。
●患者の頭部の位置:咬合面が床に対して45度になり、患者は前方正面を向きます。

~左上顎の小臼歯大臼歯~(図1-49参照)


図1-49

●デンタルチェアーの位置:わずかに上昇させます。
●術者の位置:11時から12時か、12時から1時。
●マイクロスコープの位置:想定される歯根の延長軸上にマイクロスコープをある程度の角度をつけて見下ろす姿勢をとります。
●患者の頭部の位置:患者はわずかに右を向き、左上顎大臼歯に対して術者は11時の位置から1時の位置で、左上顎の小臼歯大臼歯を捉えます。患者は左奥を突き出すように。

~右下顎小臼歯大臼歯~(図1-50参照)


図1-50

●デンタルチェアーの位置:わずかに上昇調節します。
●術者の位置:8時から9時。
●マイクロスコープの位置:想定される歯根の延長軸上にマイクロスコープをある程度の角度をつけて見下ろす姿勢をとります。
●患者の頭部の位置:患者はわずかに左を向きます。

~下顎の切歯と犬歯~(図1-51参照)


図1-51

●デンタルチェアーの位置:わずかに上昇させます。
●術者の位置:8時から9時。
●マイクロスコープの位置:想定される歯根の延長軸上にマイクロスコープをある程度の角度をつけて見下ろす姿勢をとります。
●患者の頭部の位置:患者は真上を向きます。

~左下顎の小臼歯大臼歯~(図1-52参照)


図1-52

●デンタルチェアーの位置:ほぼ水平にします。
●術者の位置:8時から9時。
●マイクロスコープの位置:想定される歯根の延長軸上にマイクロスコープをある程度の角度をつけて見下ろす姿勢をとります。
●患者の頭部の位置:患者の頭を右向きにします。
図1-52(図1-52 左下顎の小臼歯大臼歯の治療中の位置。)